01
お客様が抱えていた課題
取引先ごとに異なるFAXの手動転記で、社長が多い日では1日約3時間を費やしており生産効率が下がっていた
02
FEがパートナーとして行ったこと
OCRとNLPを組み合わせたカスタムAIツールを導入し、FAXからの情報抽出とExcel転記を自動化
03
プロジェクトの成果
作業時間を87.5%削減し、1日3時間から25分に短縮。社長は高付加価値業務に専念可能となり、生産性と競争力が向上
プロジェクトサマリー
FAX処理業務の自動化による効率改善
プロジェクト概要
大阪府に所在するある運送会社において、業務プロセスの効率化へ取り組みました。この企業は、毎日数十件に及ぶ集荷および配達の依頼を受けており、その大部分がFAXを通じて送られてきます。しかし、取引先各社が使用するFAXの形式は統一されておらず、情報の配置やフォーマットがそれぞれ異なるため、情報の抽出と整理に多大な労力を要していました。その結果、どこにどの情報が記載されているかを一件一件確認しながら、社長自らがExcelへのデータ転記作業を行っており、この作業に1日あたり約3時間を費やしていました。
このような非効率的な業務プロセスは、人的リソースの浪費のみならず、他の重要な業務への時間投資を阻害する要因となっていました。特に中小企業においては、経営者自身が多岐にわたる業務を兼任するケースが多く、単純作業に多くの時間を割くことは、企業全体の競争力や成長機会を損なう可能性があります。
そこで、この運送会社では業務プロセスの抜本的な改革を目指し、カスタムAIツールの導入を決定しました。このAIツールは、各社で異なる形式のFAXから必要な情報を自動的に抽出し、Excelへのデータ転記を自動化するように設計されています。具体的には、OCR(Optical Character Recognition)技術と自然言語処理(Natural Language Processing)を組み合わせ、FAXに含まれるテキストデータを正確に認識・解析し、所定のフォーマットでデータベースに入力します。
このAIツールの導入により、従来は手作業で行っていたデータ転記作業の時間が劇的に短縮されました。具体的な効果として、1日あたり約3時間を要していた作業時間が、約25分にまで削減され、その削減率は実に87.5%に達しました。これは単なる時間短縮にとどまらず、人的リソースの再配分を可能にし、業務全体の効率性と生産性を大幅に向上させる結果となりました。
浮いた時間を活用して、社長は業務上の電話対応や新規顧客獲得のための営業活動など、より付加価値の高い業務に注力することが可能となりました。これにより、企業の収益性や市場競争力の向上が期待されるだけでなく、顧客満足度の向上や新たなビジネスチャンスの創出にも寄与するものと考えています。