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お客様が抱えていた課題
個別支援計画書等事務所類のの作成に時間を要しており、サービス管理責任者の業務を圧迫していた
事務作業の精度や速度に属人生が高まってしまい経営視点での中期的リスクが発生していた
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FEがパートナーとして行ったこと
既存業務をヒアリングを行い、属人的な業務を明確なマニュアルと業務ワークフローへ見える化をおこない、高精度な業務を汎用的に行うための変数を設定し面談記録を基に計画書を自動生成するカスタムAIシステムを開発
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プロジェクトの成果
作成時間を97%削減し、スタッフは利用者に対してより多くの向き合える時間を確保に成功。
プロジェクトサマリー
個別支援計画書作成の自動化による業務効率改善
プロジェクト概要
大阪府に所在するある就労移行支援施設において、業務プロセスの効率化とサービス品質の向上を目指したプロジェクトを実施いたしました。この施設では、障がいを持つ方々の就労支援を主たる業務としており、利用者が必要なスキルを習得し、社会で活躍できるよう多角的なサポートを提供しています。具体的には、個々の能力や目標に合わせた訓練プログラムの策定や、就職活動の支援、職場定着のためのフォローアップなどを行っています。
しかしながら、これらのサポート業務に加えて、各利用者ごとに3か月分の「個別支援計画書」を作成する必要があります。この計画書は、利用者の現状把握、目標設定、支援方針の明確化などを目的としており、非常に重要なドキュメントです。しかし、その作成には一人当たり30分から60分ほどの時間を要し、特に10名程度の更新時期が重なると、スタッフは計画書の作成に追われ、日常業務との両立が困難な状況に陥っていました。その結果、利用者との対話やサポートに割く時間と心の余裕が減少し、サービスの質低下が懸念されていました。
このような課題を解決するため、私はカスタムAIシステムの導入を提案し、プロジェクトを主導しました。具体的には、各利用者ごとの面談記録(アセスメントシート)を基に、個別支援計画書を自動的に作成する仕組みを構築しました。このシステムは、自然言語処理(NLP)技術と機械学習アルゴリズムを組み合わせて設計されており、面談記録から重要な情報やキーワードを抽出し、適切なフォーマットで計画書を生成します。
導入に際しては、まずスタッフからの入念なヒアリングにより、計画書作成に必要な要素や項目を詳細に洗い出しました。その上で、過去の面談記録と計画書をデータセットとして収集・整理し、AIモデルの学習に活用しました。
このカスタムAIシステムの導入により、計画書作成にかかる時間は劇的に短縮されました。具体的には、従来30分から60分を要していた作業が、わずか1分で完了するようになり、その時間削減率は実に97%に達しました。これは単なる時間短縮にとどまらず、スタッフの業務負荷軽減と効率化に大きく寄与しました。
浮いた時間と心の余裕を活用して、スタッフは利用者との対話や個別サポートにより一層注力することが可能となりました。具体的には、利用者の悩みや課題に対するきめ細やかな対応、就労に向けたスキルアップのための追加サポート、企業とのマッチング精度の向上などが挙げられます。
このプロジェクトは、福祉現場におけるAI技術の活用可能性を示す有意義な事例となりました。特に、自然言語処理技術を用いたドキュメント自動生成システムの有効性が確認され、他の福祉施設や医療機関など、類似の業務プロセスを持つ組織への応用可能性が示唆されます。
技術的な観点から見ると、非定型的なテキストデータから必要な情報を抽出し、定型フォーマットのドキュメントを生成するプロセスは、さまざまな分野での業務効率化に寄与するものと考えられます。また、データの蓄積とモデルの継続的な改善により、システムの精度と信頼性をさらに向上させることが可能です。
今後も、先端技術を活用した業務プロセスの革新を推進し、福祉分野における持続可能な価値創出に取り組んでいく所存です。